いわいわねワイワイ(^^)/

フラメンコギタリストなのに最近はピアノばかり弾いてます(笑)

第341回 サビーカス4 サビーカスとの出会い

ここから先は、半ば”自伝”のつもりで書いていこうと思います。なんせ、コロナのせいでヒマなんです(笑)。「光秀と歴史」の時もそうだったけど、一生に一度のつもりで書こうかと思います(^^)/

退屈だと思った人は、適当に時間を空けてからいらして下さい(笑)。

 

サビーカスとの出会い

大学のギタークラブ時代、部室にサビーカスの楽譜や、録音(カセットテープ)がありました。1990年代前半ですからね、まだMDすらありませんでした。

ギタークラブの先輩の一人が、言葉では表現できないほどの哀愁のある曲を弾いていました。あとになってから、それがサビーカスのファルーカであることを知りました。

大学入学までギター経験が無かったので、基礎が全く足りなかったですが、それに挑戦するのが当然のように、あたしもサビーカスを弾き始めました。

当時のあたしは踊り伴奏も歌伴奏も知らず、楽譜や録音との闘いでしたから、フラメンコのファルーカを弾いているというよりは、クラシック音楽の延長としてサビーカスの作品を弾いているに過ぎませんでした。

 

サビーカスを知る人との出会い

千葉工業大学ギタークラブは、意外に歴史のあるサークルでした。
あたしよりもずっと前の先輩方は、千葉県津田沼駅近辺の飲み屋さんで演奏活動をしたこともあったそうです。
ギタークラブの部室で練習していると、どのくらい前の卒業生かわからない人が訪ねて来ることがありました。毎年行っている定期演奏会に、ひょっこり現れるOBもいたようです。

その中でもK氏との出会いは刺激的でした。
K氏は確か、昭和46年卒業とのことでしたから…あたしの生まれた年に大学を卒業していることになります(笑)。2020年現在、まだご存命なら嬉しいです。無名の後輩であるあたしを、ご自宅に招待して下さいました。


K氏は、サビーカスのリサイタルに行ったこともあったそうです。当時はカセットテープも普及していなかったので、リサイタルを録音できる人はほとんどおらず…K氏はオープンリールの巨大な機械を担いで会場に入ったそうです(笑)。

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こんなデカい機械を会場に持ち込んだからと言って、とがめられなかったのが…実に昭和ですね(笑)。当時は著作権などもうるさくなかったので、邪魔にならない場所ならOKってことだったんでしょう。

 

サビーカスの一人芸

K氏はサビーカスの録音をたくさん所有しており、貴重な録音を何本もカセットにダビングして下さいました。また、サビーカスは「一人三重奏」などを多数録音していたことも教えて下さいました。現代でも同様の多重録音をする人はいますが、当時と今では事情が随分異なります。

サビーカスの全盛期、サビーカスのレベルで一緒に演奏できる人はいなかったのかもしれません。他人に弾いてもらうくらいなら、セカンドパート、サードパートを自分自身で弾く…そういった気持ちから作られたものだったろうと思います。

 

こういうのを知ると触発されちゃうのがあたしの性格でして…(笑)、じゃぁやってみようじゃないかと、ろくに知識も無いのにMTR(マルチトラックレコーダー)を数万円で買ってきて、一人三重奏の類をいくつか作ってみました。

これは当時持っていたものです。

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やってみると非常に難しかったです(T_T)

最初に録音したものの精度が低いと、セカンドギターとサードギターを重ね撮りする時に、歪んだものに合わせないといけないんです(笑)。録音技術が無い状態、リズムの勉強もろくに出来てない下手くそは何をやってもダメでした。たはははは・・・

 

視野を広げよう

あまりにサビーカスばかりを見てしまって、サビーカスが好きなのかフラメンコが好きなのかわからなくなっていきました。これ以上やっても上達しない、フラメンコを理解できるようにならないと感じるようになりました。

もっと違うギタリストに目を向けようと思い、難しいと思って棚上げしていたパコ・デ・ルシアをはじめ、いろいろなギタリストの演奏を聞いて、弾いていきました。

サンルーカル、セラニート、モライート、トマティート、キケ・パレデス、ペペ・アビチェラ、ラファエル・リケーニ…

 

まさかのオープンリール!?

ギタークラブの部室には、あの巨大なオープンリールの機械がありました。大先輩たちの時代には、毎年行われる定期演奏会をオープンリールで録音していたようです。

あたしが入部していた頃、オープンリールを使う人はいませんでしたが…当時、あたしの習っていた瀬田彰先生が、貴重なことを教えて下さいました。

 

「オープンリールを使うと、音のスピードを半分に落とせるよ?」
「まじですか!!!」

 

フラメンコの曲は楽譜が無い場合がほとんどです。曲を作った人が楽譜を読めない場合も多々あります(笑)。

だから、弾きたい曲がある場合は、自分の耳でコピーする必要があったのです。それまでは、速過ぎて聞き取れない曲をあきらめていましたが、オープンリールを使うことで、ゆっくりにしてコピーすることができるようになっていきました。部室を無駄に占領しているバカでかい機械が、こんな形で役に立とうとは思いませんでした。

まぁ、現代の人には全く不要な技術ですね(笑)。ホント、今は便利な時代になりました(^^)/

 

ちなみに、大学卒業後はMTRを使うことで、音のスピードを半分に落として耳コピーを続けていました。さすがに時代遅れのオープンリールを買う選択肢はなかったです(笑)。